改暦後初の京暦

元号が令和に代わって初めての新年、皆さんのご家庭では新年がどんな年になるだろうかとカレンダーやその年の吉凶が描かれた冊子形態の暦を眺めているのではないでしょうか。
昔の人にとって暦は今より重要で平安時代には暦の吉凶に従って、行事を行う日を定めたり、外出を控えたりしていました。

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〈貴重書〉都百景(都名所百景)

江戸時代の京都を視覚的に見ることのできる本に『都名所図会』(安永9年(1780)刊)があります。秋里籬島(あきさとりとう)の文章と竹原信繁(たけはらのぶしげ)の絵とで京都の名所を案内しています。その後、『拾遺都名所図会』(天明7年(1787)刊)、『東山名勝図会』(元治元年(1864)刊)など、類本が数多く作られました。これらの本は木版の単色刷りで、色がないのが寂しいところです。

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京の絵師、吉田初三郎の鳥瞰図の紹介~星野リゾートの源流~

吉田初三郎は京都に生まれ、各地の鳥瞰図を手掛け、大正の広重とも言われました。また歴彩館では彼の作品を多く所蔵し、このサイトで画像を公開しています。それらの鳥瞰図には百貨店や旅館の依頼に応じて作成されたものもあります。

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臣下に配った漢籍(朝鮮内賜本)

江戸時代以前は学問といえば漢文の書籍が中心でした。
その事情は朝鮮半島でも同じで、日本と同様に多くの漢文で書かれた書籍(朝鮮本)が刊行されました。

朝鮮本の特徴としては、活字を使った印刷が多いということと、公的機関や学者個人が刊行したものがほとんどで、日本のような商業出版物はほとんど見られないということが挙げられます。

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茶道具を擬人化? 中国の茶書『茶具図賛』

動物、刀剣、軍艦、国・・・さまざまなモノを擬人化した漫画、アニメ、ゲームなどが流行していますが、700年前の中国でも道具を擬人化して解説するユニークな書籍が刊行されました。それは『茶具図賛』という茶書で、茶道具を人に見立てて紹介しています。

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京都舎密局の笠置町の写真

京都府南部の相楽郡笠置町は、木津川中流域にある山間の町です。木津川の南側にある笠置山は大きな岩場の露出する山で、山上には真言宗の笠置寺があり、山麓には温泉もある観光地です。歴史的には、鎌倉時代末期に討幕に失敗した後醍醐天皇(元弘の乱と呼ばれます)が一時的に避難した場所として知られ、それに関わる史跡などがあります。

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京都を襲った大火の記録

2018年は大阪北部の地震や豪雨、台風上陸もあり、酷暑も重なって多くの災害が発生した年となっています。
このような災害が発生するとテレビや新聞で多くの情報が流されますが、江戸時代でも火災や地震などが発生するとその状況・経緯をまとめた本が多く刊行されました。
それらの資料は過去の災害を知る貴重な記録や教訓となっています。

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京都舎密局の写真

明治年間初期の京都の写真集である『撮影鑑(さつえいかがみ)二』(当館所蔵:貴||||T36)については、「写真資料から60」で、その成立の経緯について触れてみました。そこでの結論は、京都舎密局(せいみきょく)の原板を使って1881年(明治14)4月に作られたこと、同じ月に開催された第二回内国勧業博覧会と関係するのではないかということでした。

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大石内蔵助の隠棲地、岩屋寺

「忠臣蔵」で有名な、主君浅野内匠頭長矩(あさのたくみのかみながのり)の無念を晴らそうと吉良邸に討ち入った赤穂四十七士。そのリーダー大石内蔵助(おおいしくらのすけ)は討入り前に京都、山科の地に住んでいました。その隠棲地として知られるのが、山科区西野山桜ノ馬場町にある岩屋寺です。

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琵琶湖疏水図誌

琵琶湖疏水工事の様子を記録した画帖です。『琵琶湖疏水工事写真帖』とともに、工事の様子を伝える貴重な記録資料です。

この画帖の作者の河田小龍(かわだしょうりょう)(文政7(1824)年~ 明治31(1898)年)は、土佐藩士の家に生まれ、坂本龍馬や中浜万次郎(ジョン万次郎)とも親交がありました。

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