琵琶湖疏水図誌

琵琶湖疏水工事の様子を記録した画帖です。『琵琶湖疏水工事写真帖』とともに、工事の様子を伝える貴重な記録資料です。

この画帖の作者の河田小龍(かわだしょうりょう)(文政7(1824)年~ 明治31(1898)年)は、土佐藩士の家に生まれ、坂本龍馬や中浜万次郎(ジョン万次郎)とも親交がありました。

小龍は、琵琶湖疏水工事の際に絵師として京都府に採用され、琵琶湖疏水工事の記録画を描きました。色彩も鮮やかな細密画は、カラー写真がなかった時代の工事の記録として、貴重な資料となっています。
なお、本書の原本は皇室に献上され、当館に所蔵しているものは、小龍が控えとして作成したものです。 

琵琶湖疏水工事を描いた絵画には、このほかに洋画家の田村宗立による『琵琶湖疏水工事図巻』(京都市上下水道局所蔵)があり、平成2年に出版された『琵琶湖疏水の100年』の画集に『琵琶湖疏水図誌』と併せて収録されています。