昭和大礼関係行政文書

今年は天皇の御代替わりがあり、10月22日に即位の礼が行われます。この儀式は大変重要な国事行為のため、過去に開催された即位の礼に関しても多岐にわたって準備・検討を重ねられていたようです。
昭和天皇の即位の礼の場合は昭和3年11月に京都で行われることが決定されると、京都府は京都府大礼事務局を設置し、即位の礼を含む大礼行事の準備にあたりました。当館ではこの時に作成した公文書を所蔵し、閲覧提供しています。その一部をご紹介します。

まずこちらは、事務局の設置に関する通達です。

昭03-0019『大礼事務職員任免一件』

昭和3年1月8日付け府達第3号により、京都府庁に勤務する判任官以上の職員を大礼事務委員に任命しました。

事務委員は業務中、徽章をつけることときめられ、職位によって大きさや色が違う5種類の徽章が、七宝焼きで作られました。写真の徽章は大礼事務補佐員がつけたもので、厚紙に綴じて保存したあとが残っています。

昭03-0021『経理物品予算ニ関スル

大礼開催にあたり特に頭を悩ませたのが、参列者が使用する自動車や人力車の調達とその駐車場の確保についてだったようです。

昭和3年『車両斡旋ニ関スル書類』によると「当地の車両数は比較的少数なので、参列者にはなるべく車両を持参されるか、他の参加者と共用していただきたい」と注意喚起しました。

昭03-0058『車輌斡施ニ関スル書類』

また駐車場について候補地を検討するなかで、「会場近くの学校の運動場を使えばいいと思う」、「いや、そのように長期間運動場を塞ぐことは、教育上どうだろうか」という議論もあったようです。

昭03-0020『協議会及協議事項ニ関スル件』

また、迅速・正確な天気予報、予防接種など徹底した衛生管理ほか多岐にわたる業務について知ることができる資料群もあります。

歴彩館では同様に大正の即位の礼の資料も閲覧提供しています。